上野ミニバス6年生最後のトーナメント。
敗けてしまいました。
それも1回戦で。
子どもたちは全力を尽くしてくれました。
そもそも子どもたちは教えられたことしかできません。
相手に対する対処も、試合中の指示が「正しいものであっても」練習中での"仕込み"が無ければそれは生きたものにはならないと言うことです。
1年をかけてチームを熟成させきっているはずのこの時期、どこのチームも自分達の型があり
それを出すためにこどたちは必死にコートでそれを表現しています。
対戦相手の熊野さんは、179cmの規格外の選手がおり
そう言う意味でも自分達の型をもっているチームです。
本来要注意なんです。
しかし、
1回戦の試合を見たとき、正直いける!と判断してしまいました。子どもたちに伝えることはないですが、コーチの弛みは子どもたちに伝わったのかもしれません。
サンアリーナで子どもたちが試合をするとき
「こんな大きな体育館でやれるのすごいな!」と
言い過ぎて、コーチの舞い上がりが子どもたちに伝わったことがありました。
子どもたちが油断をしていたわけではありませんし、舐めていたわけではありません。
しかし、やはり小学生。
1試合目はやはり固いんです。
そこで気づきました。
熊野さんも川越さんも固かったんだ、と。
一回戦で緊張して体のほぐれていない両チームの試合をみて判断。そして、熊野さんは勝った勢い、温まった体、とけた緊張、シードは決して有利には働いてないのです。
試合での"あや"があるとすれば
選抜に選ばれたエースがこの日絶好調だったことです。
絶好調だったらいいんじゃないか?ってことですが、2quarterの出だし
急造のセット(これも後述します)で得点を重ねました。
これはこれで良かったんですが、エースのドライブがキレッキレ。
相手ベンチに、これはここを割りきってとめないと!と、判断させるに十分なインパクトだったんです。
エースにはそこからトラップ、フェイスガード、ドライブを仕掛ければ大きな選手が中で待ち構える。
そして、ディフェンスでもその大きな子と押し合い圧し合い。
絶好調がゆえに、エースを探す子どもたち。
結果的に、エースは額面通りの活躍はしましたが、本来上野ミニバスは全員バスケをモットーにやってきたはずです。
本来、と言う話ですが
先程の急造のセットも
もう少し煮詰める必要がありました。
トライ&エラーが基本です。
実践でのエラーを繰り返して、それを修正しないと
生きたものにならないんでしょうね。
それを痛感することが試合後にありました。
敗戦を知った海陽さんが
海陽さんの最終調整に上野ミニバスを呼んでくれたのです。
ここでの気づきは
子どもたちよりコーチに多かったのかもしれません。
試合前の練習での濃密な詰めの作業。
ワンプレー、ワンプレーでコーチがとめる。
結果オーライなことは一切なく、コーチが子どもたちに問いかけるんです。
「なぜ、いま、そう判断したか?」
海陽さんの子どもたちは
すぐさま答えます。
「後ろのカバーが見えてそこはせまいと思ったからです」
その判断をコーチが修正する。
これの繰り返しなんです。
子どもたちがワンプレーワンプレーを何も考えずにプレーしていないと言うことなんです。
そして、子どもたちに自分達で考える習慣を身に付けさせているコーチの力量です。
究極のトライ&エラーです。
毎年、強豪チームを作り上げているDNAを垣間見ることができました。
私自身、社会人チームを運営しています。
ゲームメイクの前にはチームメイクがあり、チームメイクでの自身の長所は、良いと思ったものは取り入れる所だと思っています。
ちゃんと指導を受けたわけではなく、エリート道を進んできたわけでもないので
未だに、若手に教えてもらったり、バスケに対するアドバイスを求めることもあります。
そして、良いものは残して、悪いものは捨てる。
その取捨を繰り返して、煮詰める。
それがチームの財産になるんだと思います。
今年も6年生が8人抜けます。
今年の子どもたちは、どんなバスケをしよー?
では、子どもたちが揃ったときには地区で勝たせてもらっても、県では勝てないチーム止まりになるんじゃないかと思いました。
引退試合となってしまった、この試合の残り14秒
5点ビハインド。
大人の計算が先走り、今年の6年生の子どもたちが
これで終わるのか、との考えが脳裏をかすめた時
不覚にも泣いてしまいました。
子どもたちが涙するとき、それは悔し涙です。
私のは後悔の涙でした。
それは自分の深い業だと思います。